背景
SEMI北米情報・制御委員会の春季会合は、半導体製造の専門知識の向上に向けたソリューションに焦点を当てた、国際的な主要技術会議である「Advanced Semiconductor Manufacturing Conference(ASMC)」と併せて開催されました。会場はニューヨーク州オールバニのヒルトンホテルでした。
例年通り、初日と2日目はタスクフォース会議に重点が置かれ、GEM 300、ABFI(Advanced Backend Factory Integration)、GUI、CDS(Fab & Equipment Computer & Device Security)、DDA(Diagnostics Data Acquisition)、およびデジタルツイン・タスクフォースなどが開催されました。これらはすべてPDF Solutionsが共同で主導しました。 3日目は委員会会議が開催され、委員らは主にタスクフォースからの提言に基づき最終決定を行いました。本要約では、選定されたタスクフォースのセッションおよび委員会会議における主な進展について取り上げます。
委員会によって承認されたすべての投票用紙は、SEMIグローバル監査・審査委員会による最終審査の対象となります。稀なケースではありますが、SEMIの手順や規定を厳格に遵守していない場合、投票が不承認となる可能性があります。
タスクフォースが新規規格の制定または既存規格の変更を提案する投票案を提出するには、事前に技術委員会の承認を得たSNARF(新規活動報告書様式)を提出する必要があります。SEMIは、世界各国の委員会活動に関する詳細情報を掲載した包括的なウェブサイトを運営しています:
デジタルツイン・タスクフォース
このタスクフォースは、デジタルツインの用語を定義し、半導体業界におけるデジタルツインの最低要件を定める最初の草案を提出する準備を進めている。将来的には、デジタルツインと連携するためのインターフェースを1つ以上開発する計画だが、その作業の詳細は未定であり、今後の段階での実施が予定されている。
GEM 300 タスクフォース
タスクフォースおよび委員会の両会議において、メンバーはE40(プロセス・ジョブ管理)における周知の可変問題に対処する投票案7447を可決した。
別の投票案7427では、E172(SECS機器データディクショナリの仕様)の更新が提案されました:
- 最初の項目では、Well-Known NameフィールドをSEMIで定義された名前に限定するとともに、カスタム用途向けの新しいフィールドを導入しています。この項目は、カスタムフィールドが機器サプライヤーとエンドユーザーの間で合意されたあらゆる用途に対応できるよう、技術的な調整を加えるため、承認投票へと進みました。
- 2番目の項目は、キャリアの位置を正確に特定できるように、機器特性マトリックスを更新するものです。この項目は承認されました。
投票用紙7345B(E90—基板追跡仕様書)は、投票用紙の不備により否決されました。
「バッチ」とは、同時に処理される基板のグループを指します。基板の取り扱い方法が異なるため、バッチの作成や削除のタイミングについて意見の相違が生じていました。本投票は、以下の2つの問題を解決することを目的としていました:
- バッチロケーションの状態モデルにおいて、状態の定義と遷移表の間に矛盾が存在する。規格では、UNOCCUPIED状態は基板を一切含まないものと定義されているが、遷移表では、すべての基板がバッチロケーションに移動した場合にのみ、OCCUPIED状態への遷移が許可されている。
- タスクフォースは、事前に3つの競合する提案を評価した上で、解決策について合意に達した。
投票は、些細な技術的な不備や追加の説明を求める要望があったため、不成立となりました。しかし、更新された案は、以前の案に比べて大幅な改善が見られます。タスクフォースは、新たな問題が生じない限り、次回の改訂案は可決されると見込んでいます。
安全なHSMS通信の標準化を提案するボールト7428Aは、現在策定中のボールトの中で最も影響力の大きいものとなっています。このボールトでは、3段階の通信モデルを定義しています:
- TCP/IP
- TLS(トランスポート層セキュリティ)
- HSMS-SS
この採決は、SEMIの手続き上の些細な問題により否決されました。それにもかかわらず、グループ全体として技術的な方向性については強い合意が形成されました。しかし、仕様書において、RFC 8446で要求されている内容を超えて、TLS認証中の特定のエラー処理動作を義務付けるべきかどうかなど、実装の詳細については、メンバー間で議論が続いています。
投票案7447は、ある有名な名称に対するE40の更新を提案するもので、異論なく可決された。
委員会は、投票用紙の作成に向けたいくつかの新たな取り組みを承認した:
- E5およびE30に対する更新案は、レポート作成とイベントの連携を改善するものです。現在、S1F23/S1F24メッセージではデータ変数と収集イベント間の関連付けが定義されていますが、ホストソフトウェアは任意の変数を任意のイベントに関連付けることができます。本提案では、関連付けられていない変数が不適切に関連付けられた場合に、機器がエラーを通知するよう求める設定を導入します。この変更により、GEMインターフェースにおける一般的な問題が解決されることになります。
- 2つ目のアクティビティでは、キャリアを保管し、基板を搬送する装置における内部バッファの実装とポートの使用方法について説明します。
- 3つ目の作業では、E40にあるもう1つの有名な名称を修正します。
DDA(診断データ取得)タスクフォース
DDAタスクフォースは、gRPC技術に基づくEDA/Interface標準の「Freeze 3」版の最終調整を続けています。直近のサイクルでは、以下の2件の投票案が検討されました:
- 投票7422(E164)は否決されました。Freeze 3はE164に依存しているため、Freeze 3を完了と宣言するには、この標準が可決される必要があります。タスクフォースはこれを修正し、再投票を行う予定です。主な課題は、GEM 300の機能を実装する下位標準を完成させることです。
- ボールト7419Aは、最終的な技術的更新を行うための承認投票段階に進みました。このボールトには、E120、E125、E132、E134、およびE179の更新が含まれています。承認されれば、これらの規格はEDA Freeze 3の中核を成すことになります。
CDS(製造・設備・コンピュータ・デバイスセキュリティ)タスクフォース
CDSタスクフォースに関する投票は行われなかった。同グループは、特にエンドユーザーからの支持が得られなくなったことを受け、SEMI E188(装置のサイバーセキュリティ)の今後について引き続き検討を行っている。
タスクフォースは、SEMI E191(コンピューティングデバイスのサイバーセキュリティ状況報告)の大幅な改善を提案する投票案7426を検討した。現在の報告要件は以下の通りである:
- E191-1024(現行バージョン):ComputingDeviceIdentifier、OSManufacturer、OSName、OSVersion、OSBuild
- 投票番号 7311A の追加項目:OSInstalledUpdates、OSInstalledComponents
- GEM (SEMI E30):MDLN、SOFTREV、EqSerialNum、E30EquipmentSupplier、EqpName
Ballot 7311A の最新情報が公開されたことを受け、Ballot 7426 に関する作業が進められています。この提案では、以下の内容が追加されます:
- 開いているポートおよび確立済みのポートの一覧と、それに関連するプロセス
- 実行中のプロセス
- ローカルユーザーアカウント
- ファイアウォールの状態
- デバイスドライバーのバージョン
- BIOS情報
これらが採用されれば、設備システムにおけるサイバーセキュリティリスクを評価する工場の能力は大幅に向上するだろう。しかし、タスクフォースはいくつかの詳細を詰める必要があり、全体的な支持が得られるかどうかは依然として不透明である。
次のステップ
北米情報・統制委員会は、以下のものを使用する:
- 批准投票の第5回投票期間(2026年6月2日~7月2日)
- 一般投票の第7回(提出締切:2026年7月31日、投票期間:2026年8月19日~9月18日)
同委員会は、2026年10月13日から15日にかけて、サンフランシスコのモスコーン・センターで開催されるSEMICON Westの期間中に開催される「北米秋季SEMI規格会議」において、これらの投票を審査する予定です。
著者の経歴:
SEMI 北米
地域基準委員会共同委員長
情報・管理委員会共同委員長
GEM 300 タスクフォースリーダー
DDAタスクフォースリーダー
高度なバックエンド・ファクトリー統合タスクフォースリーダー
製造向けデジタルツイン・タスクフォースリーダー
SEMI規格に関する詳細については、PDF.comの「規格」セクションをご覧ください。